2年前、愛する宇陀のため市長選挙に挑戦しました。結果は厳しく、正論をいくらはいても私自身に信頼がなければ何もできないということを痛感させられました。政治にかかわることになれば、家族や地域の方々も巻き込んでしまうことになります。正直、政治家を引退したほうが良いと思っていました。
 しかし、私が去った後の市政はただただ荒れ続けているようでした。市長が招集をしてもなかなか開かれない市議会。「広く公開をされた場で物事を決め、そのことを住民に広く周知する。」民主主義の根幹が宇陀市では崩壊してしまったかのような惨状でした。あいつはダメだ。このままでは宇陀はダメになる。ネガティブなことばかりを聞かされ続けて、行われた住民投票は反対多数になりました。将来の宇陀に展望が持てないのに莫大な投資をしようと説得されても、市民は付いていくことは難しかったのでしょう。
 そして、新型コロナウィルスの影響で多くの方が苦しんでいるこの時期の不信任決議と議会の解散。本当にこのタイミングで選挙を行うことが必要なほど状況が切迫していたのかは疑問です。市長が思い通りに動かなくても必要な施策を議論して提案すれば実現に向かうことはできたはずです。
 今、宇陀に求められているのは政争ではなく、一刻も早く混乱を収拾させ、宇陀市政を前に進めることではないでしょうか。私はこの2年間、大学院で地方自治を見つめ直し、行政運営や財政について学びました。もう一度一からやり直す。政治家として。そして、宇陀市政を立て直す。国難ともいえる、コロナウィルスを乗り越え、素敵な宇陀を守るために。

プロフィール

勝井太郎 1978年7月23日生まれ 宇陀市室生大野出身 41歳 室生村立大野小、室生村立室生中を卒業。近畿大学附属高校を経て、近畿大学商経学部を卒業。大阪市立大学大学院創造都市研究科修了。

公的機関、民間企業、都議秘書を経て、2010年3月執行の市議会議員選挙にて最高得票で当選。市議会議員を2期務める。市長選挙落選後は大学院に戻り地方自治について研究を深めるとともに枚方市長の秘書を務め都市での政治の在り方について見識を広めてきた。